さて、前回ざっくりとキャブクリーナーとエンジンコンディショナーによって洗浄したキャブですが、その続きです。
で、前回、エンジンコンディショナーにジェット類をどぶ漬けして1週間経ちましたが、どうなったでしょうか?
はい、ジャンっと。

もう、びっくりですね。
ジオンの新型モビルスーツかよってくらい青いですね。
ザクとは違うのだよ、ザクとは!
っていう叫びが聞こえてきそうです。
これ、私の失敗です。
WAKOSのエンジンコンディショナーの威力を舐めてました。
強力すぎて、真鍮パーツを溶かしちゃうんですね。
ジェットみたいなデリケートなパーツはこれでサイズが変わったりするとうまく動かなくなったりするので、要注意ですね。
「あれは憎しみのケミカルだ。光とパーツの渦が溶けてゆく」
というニュータイプのカンがいっているので、皆さんもお気をつけください。
で、金属パーツはあらかた終わったので、今度は樹脂系のパーツを洗浄していきます。
バイクのメンテで使うケミカルは強いので、樹脂系のパーツに使うとかなり危険です。
なので、優しく扱ってあげましょう。
最近は、男には強いよりも優しさが求められるのです。
ということで、樹脂系のパーツは中性洗剤を使って洗います。

洗剤は流すだけで油汚れも落ちるCMやってる高級なやつじゃなくて、100均のやつで十分です。
それをナイロンブラシでゴシゴシ擦ってやれば大体落ちます。
もし落ちないときは、お湯を使ってあげましょう。



樹脂系パーツも一通りキレイになったので、組み上げていきます。
ここで注意ですが、洗ったあとは一応ケアしときましょう。
水で洗ったものは水がしっかりと乾いてから。
ケミカルで洗ったものはパーツクリーナーを吹いておくといいと思いますよ。
で、組み上げていくわけですが、今回はジェット類とガスケット類は交換していきます。



メインジェット、スロージェット、フロートバルブの新品と使ってたものの比較ですが、色が違うせいか、新品の方が細く見えます。目の錯覚というやつですかね?
サイズが違ってたらハマるはずがないので、違うはずはないのですが。
組み付けていく中で気にしないといけないのは、まずフロートの深さ(油面)。
マニュアルによると、横にした状態でチャンバーのふちから13.7mm。
ざっとですが、大体許容範囲に収まっています。

SC33のフロートは、フロートバルブの差し込みが完全に一体整形なので、油面がずれていたとすると、調整はできません。油面がずれた場合は交換するしかないのかもしれません。
頑張れば温めながら変形させればなんとかなるかもしれませんが。
その分、そんなに油面がずれるということはなさそうな感じがします。

で、今度はダイアフラムをつけていくわけですが、これ、苦手なんですよね。
というのも、ダイアフラムって、バネで抑えるわけなんですけど、これがバネを抑えながら蓋をうまいこと閉めないと、バネがビヨーンって出てきちゃうんですよ。
こういう器用さが求められる作業は苦手です。
なんかいいやり方ないですかね・・・
苦手すぎて、画像撮る余裕がなかったですね。

あとは、燃料系やブリーザ系のホースをつなぐジョイントのOリングを交換しつつ、4つのキャブを組んでいきます。



一番と三番はスロットルセンサーとアイドリングコントローラが付いているのでわかりやすいのはありますが、二番と四番もホースのジョイントを差し込む穴の有無で見分けがつきます。
組んでいく時にきをつけるのは、フロートチャンバーの蓋の方向です。
ドレンのネジが外向きになるようにしておく必要があります。
まぁ、ドレンなんて使わねーよなんて豪気な人には関係ないお話しですが。
で、無事に完成したわけですが、この時にスロットルバルブを目視で大体揃えておきます。
目安としては、四つのバタフライの羽が閉じる時に同時に閉じるように調整してあげる感じです。
当然スロットルがオフの時にはバラフライが閉じていないといけません。

これをやっておくと、後で負圧で同調を取るときに、大体揃った状態から始められます。
調整する時は、キャブとキャブの間にスロットル操作の時に動くネジがあるので、それを閉めたり緩めたりして調整します。
あとは、チョークがちゃんと動くかどうかの確認も必要です。
この動きが渋い時は、シリンダーに注油してあげる必要があるかもです。
ここまで準備ができたらあとはバイクに組んでいきます。
と、いきたいところですが、バイクに組み込む前に、燃料を流し込む状態で30分ほど放置してみます。
この状態でガソリンが漏れていると、オーバーフローしています。
バイクに組んでからオーバーフローに気づくと、面倒くさいですから。

今回はバラす時にフロートチャンバーから抜いた燃料にサビらしきものが出てきていたので、燃料タンク側のストレーナーと、燃料コックを見てみます。


こちらを見る限りは、気になるほどさびているということはないようです。
しかし、念には念を入れて、タンクからキャブに繋がる燃料ホースにフィルターを入れます。

個人的には、こういうフィルターは流量に影響が出るので、なるべく使わないようにしていたのですが、もうこのバイクもおじいちゃんですからね。
そうも言ってられません。
より早く走るよりも、より長生きしてもらうということが優先されるようになってきましたのでね。


で、インシュレータを新品に交換します。
インシュレータも上下の向きと、前後もあるので注意です。
突起があって、それを合わせれば自動で揃えられます。
あと、インシュレータのエンジン側を止めるバンドですが、ネジの向きを一番の方に向けておかないと、後で閉めることができなくて、泣く泣くやり直すことになるので、つける前に注意しておくのが吉ですよ。
で、インシュレーターをエンジンのインテークに差し込むわけですが、寒くてゴムが縮まっていたり固かったりするのか、結構手間取りました。
こんなくそ寒い時期にキャブ外すこともなかったので、気になりませんでしたが、もしかするとヒートガンであっためてやればもう少し簡単に入ったかもですね。
そんなこんなでとりあえず組んで始動しましたが、無事に始動しましてね。
アイドリングも落ち着いていますし、一安心といったところです。

急用ができたため、本日はここまでとなってしまいましたので、諸々の正式な組み付けと、同調は次回の完結編で。